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酒の席では異性に「もてる」「もてない」の差がグラスに注がれる酒の量、カラオケの声援など、さまざまな形で表れます。忘年会の季節を控え、今回は「もてる男」「もてない男」の違いを、江戸時代の雑俳から紹介します。
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異性に好かれることを「もてる」というのは江戸時代の遊里に始まりました。江戸時代の遊里では、遊女の気持ち次第で客の待遇がかなり違っていたようです。ちやほやもてなされる客、「粋なおかただ」ともてはやされる客がある一方で、金を払っても遊女に相手にされず一人で夜を過ごす客もいました。
もてた男の朝
*雑俳-柳多留―八八〔1825〕「「もてたあす眠くうれしく肌寒し」
その解説
遊女が眠らせてくれなかったので、眠いのと、うれしいのと、寒いのが混ぜこぜになった状態で帰宅するわけです。
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一方、もてない男はこんな夜を過ごしていました。
もてない男の夜
*雑俳-柳多留―四〔1769〕「持てぬやつまだ薬でも遣る気なり」
その解説明
遊女は客の相手をしたくないので、「持病の癪(しゃく)が」とかなんとか言って反対側を向いているのですが、もてない男は大真面目に「薬を遣るよ」と、自分の印籠を出すのでした。
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遊里ではグループで登楼した場合には、まず皆で酒を飲み、後に分かれて夜を過ごしました。朝に再び集まるときには、仲間がもてたか、もてなかったが気になったようです。
もてた(つもり)の男の朝
*雑俳-柳多留―二〔1767〕「朝帰(あさがえり)もてたやつから噺(はなし)出し」
その解説
真っ先に「おれは眠くてたまらねえ」などと言い出すのはもてた人。という意味の句ですが、見栄を張っている場合もあったでしょう。
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江戸幕府が崩壊して既に140年。にもかかわらず、もてない男の行動には大きな違いがないようです。
もてない男の癖
*雑俳:柳多留―七〔1772〕「持てぬやついっそ地口をいひたがり」
その解説
地口は今でいう駄洒落の類。もてない男は江戸時代から笑いで寂しさを紛らわせてきたのです。今年の忘年会では彼らの「そんなの関係ねぇ」が、もてる男を引き立てるでしょう。
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