立ち読みコーナー  
  【前書き】  

 ある時,宴会で鍋料理を注文したところ,取り分け用の器が足りなかったことがある。私が仲居さんに向かって「トンスイ一つお願いします!」と声をかけると周りから「へー,トンスイっていうのか」と感心されたことがあった。それをきっかけに「あれは何て言うんだ?」「これは○○って言うんだぞ」とウンチク合戦がはじまり酒席が盛り上がったことは言うまでもない。
 身の回りを見渡すと,日常の生活の中でいつも使ったり目にしたりしていながら,名前を知らないものが溢れている。それでも,身振り手振りを交えながら説明したり,そのものを特徴づける擬音語・擬態語で表現したりしていてコミュニケーションに支障はないのである。
 しかし,生活雑貨店で,「気泡緩衝シートどこにありますか?」と尋ねてスムーズに売り場に案内されると,密やかな満足感に浸ってしまう。習い始めの外国語が現地で初めて通じたときの喜びに近いものがある。
 知らなくても困ることはない。でも知っていると何か得した気分になれる。そんなウンチク本があってもおもしろいのではないかというささやかな発想が,小学館の神永 曉氏の後押しと,同種のネタを数多く集めていたささぼんこと佐々木正孝氏との出会いによって具体化させることができた次第である。
 なお,もしかしたら自分だけが知らないのでは?世間でどれくらいの人が知っているのか?東西で違いはあるのか?世代差は?などの疑問を確認するためにアンケート調査を実施した。その結果の一部はコラムで紹介している。
 最後に,調査に協力していただいた京都橘女子大学・近畿大学・津田塾大学・帝塚山学院大学・東京女子大学・東京都立大学・日本女子大学・和洋女子大学の学生の皆さんと,調査及び収集データの処理にご尽力いただいた鳥谷善史氏に感謝申し上げる。


2005年3月18日
                                           篠崎晃一
このページを閉じます

© Shogakukan Inc. All rights reserved. No Repro duction or republication without written permission.
掲載の記事・写真・イラスト等のすべてのコンテンツの無断複写・転載を禁じます。