立ち読みコーナー  
  【コラム 桜の花の数え方】  


 日本人は春の便りが届くとなぜかソワソワ・・・・・。桜前線が北上してくると「お花見はもうしましたか?」「○△公園の桜が見事でしたよ」などという挨拶を交わしていますよね。そう、お花見をしたいという本能(?)が目覚めるからでしょう。
 桜の花は、古く『万葉集』にも登場しますが、当時の春の花といえば中国から伝来した梅花の方が歌に詠まれることが多かったようです。ところが『古今和歌集』では、日本古来の桜の花、特にその散り際を惜しむ歌が多く詠まれるようになり、次第に日本の春の風物詩として定着しました。
 そんな桜の花の数え方にはどのようなものがあるのでしょうか?
 手元にある文献を調べてみると、桜には開花する前から散るまで、他の花とは比べ物にならないほど豊富な数え方があるということが分かり、改めて日本人の桜に対する特別な思い入れを感じ驚かされました。
 例えば、桜の花のつぼみは「1個、2個」と数えます。ほころんだ個々の桜の花は「1輪、2輪」、花びらは「1枚、2枚」、そしてそれが舞い散ると「1片、2片(ひとひら、ふたひら)」と数えます。桜花が数輪まとまっている花房は「1房、2房」と数え、花房がついた枝全体の数は「1枝、2枝」。「朶(だ)」という雅な数え方まであるそうです。それを使って無数の雲のかたまりのように桜花が咲いている様子を「万朶乃花(ばんだのはな)」と表現することもあるのだとか。ロマンチックですよね。
 このように、桜の花にまつわる数え方を集めるだけでも、日本語の美しさ、表現の豊かさ、そして日本人の桜に対する特別な思い入れを垣間見ることができます。あなたもお花見をする時には、その数え方についても考えてみませんか?
 一樹の桜の木の下で、一席の花見の宴をもうけ、一折の弁当をつつきながら、一献傾ける――ほろ酔い気分で一曲ノドを披露し、一首詠み、一差し舞うのも一興・・・・・な〜んていうことになれば、桜も数え方も満開!

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