立ち読みコーナー  
  【素堂】  

目には青葉山ほととぎす初がつお       素堂(一六四二〜一七一六)

 「かまくらにて」という前書がある。初夏を代表する風物を、視覚→聴覚→味覚の順に三つ並べた明解さのためもあって、日本人なら知らぬ者はない有名な句となった。当時、鰹は関東の名産物で、とりわけ鎌倉の鰹は喜ばれた。その評判については「徒然草―一一九段」に次のような記述がある。「鎌倉の海に鰹と云ふ魚は、かの境ひにはさうなきものにて、この比〈ごろ〉もてなすものなり(鎌倉の海にいる鰹という魚は、あの地方では第一等のもので、この頃もてはやされている)」

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