立ち読みコーナー  
  【蕪村】  

をちこちに滝の音聞く若葉かな       蕪村

  「をちこちに」は、あちらこちらにということで、遠くから近くから、あちこちから滝の音が聞こえてくるという意味である。しかしいくつもの滝があるわけではない。この若葉の茂る山中にいると、一つの滝の響きが、まるでいろいろな方向から聞こえてくるような気がするのである。聴覚と視覚の両面から、生命力溢れる自然と一体化する喜びが詠われている。

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