立ち読みコーナー  
  【藤原盛房】  

夏山の青葉まじりのおそ桜初花よりもめづらしきかな      藤原盛房(平安後期)

 夏山の青葉に混じって咲いている遅い桜は、春一番に咲く花より新鮮に感じられるという意。青葉の緑と桜の色とのコントラストに着目した歌である。この歌を踏まえた文章として著名なものに、「中島の松にかかれる藤なみの、うら紫にさける色、青葉まじりのおそ桜、初花よりもめづらしく、岸のやまぶきさきみだれ、八重たつ雲のたえ間より、山郭公〈やまほととぎす〉の一声も、君の御幸をまちがほなり」(平家物語―灌頂・大原御幸)がある。

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