立ち読みコーナー  
  【はじめに(序文)】  

●はじめに

カメラマンにとって写真は我が子も同じ。
我々の仕事の半分は、その我が子を捨てるが思いで、その大部分の写真をボツにすることなのである。
それにしても撮りに撮ったり、貯まりに貯まった二十年間。
ここに紹介するは、長い眠りについていたり、ヤミからヤミに葬られていた大量の作品の中から、この不肖・宮嶋が厳選に厳選を重ねたシブイもんばっかである。
私が出会った犯罪者だけで一千人以上。
見てきた死体の山も、ゆうに一千体を越える。
アンタが一生かかって撮るカット数を、我々は一日で撮りきってしまうのである。
どや、シロート衆に想像できまっか?

カメラマンは現場に立ってこそ光り輝く。
虎は死んでも皮残すが、カメラマンは写真を残せてこそ存在価値があるのである。
そのためには子孫も残せんカイショなしの烙印も喜んで押されよう。
ノーガキしかコケない根性無しにかわって、これからも私は、そんな修羅場に嫌々足を運ぶことであろう。
まだ見ぬたった一枚のベストショットをフィルムに収めるまでは。

不肖・宮嶋


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