立ち読みコーナー  
  【はじめに】  
  はじめに
 ことばには不思議な力があります。人はある時はことばによって励まされたり、またある時はことばによって過ぎさった日々のことをふと思い出したりと、人生の様々な場面でことばはその不思議な力を見せてくれます。特に、自分が生まれ育ったふるさとのことば、子ども時代自分が耳にし、実際に使ってきたことば「方言」に、そうした計り知れない力が確かに存在すると感じる方は大勢いらっしゃるのではないでしょうか。
 本書は、各界の第一線で活躍している方がたに、ご自身が育った土地の思い出深いことばや大好きなことば、心の支えとなったことばなどを一、二とりあげ、そのことばをめぐるエピソードや思いなどを語っていただいたものです。ご執筆くださったのは、北は北海道から南は沖縄まで四十七の都道府県ごとにお一人ずつ(ただし大阪、福岡はお二人)、全部で四十九名の方がたです。
 方言を懐かしむ気持ち、方言に対する複雑な思い、方言を誇りに思う気持ち等々、書かれた内容は様々ですが、全編に共通して流れているのは、自分が生まれ育ったふるさとのことばに対する深い愛情だと言えるでしょう。
 日本人の心のふるさとである方言の、豊かさ、暖かさ、美しさを、ご執筆くださった方がたとともに味わっていただければ幸いです。


 
 
二〇〇七年三月
小学館辞典編集部
 
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