立ち読みコーナー  
  【アナウンサーのひとりごと】  

3ふん前

 早朝番組の若いスタッフが、スタジオで本番までの時間を告げる。「4ふん前でーす」。ん?それは「4ぷん前だろ」と言うと「すみません・・・」。その1分後には「3ふん前でーす」。すかさず「3ぷん前だよ!」と言うと「す、すみません」。こんなスタッフが目につきだしたのは、2005(平成17)年ごろから。JR福知山線の脱線衝突事故のニュースで女性記者が「9時14ふん」、Jリーグ中継では実況アナウンサーが、「4ふん」と、やたら「ふん」と言う。なぜ「3ぷん、4ぷん」と言わないのか?ぷんぷん! そんな気持ちを持ちつつ、小学生の息子とゲームセンターに行った。ゲーム機で遊ぶ息子を後ろから見ていたら、画面の残り時間表示が「3ふん42びょう」と出ていた。これはぜひとも、「3ぷん」としてほしいところなのだが・・・。

 また、北海道へ旅行した際、新千歳空港のインフォメーションの女性が「12時34ふん」と言っていた。列車に乗ったら、車内のアナウンスが「1時24ふん」。系列の札幌テレビの先輩アナウンサーに電話で「北海道では『3分、4分』を『3ふん』『4ふん』と言うのでしょうか?」と聞いてみたところ、「そんなことはないが、最近の若い人の中には『3ふん、4ふん』と言う人が時々いる」とのこと。発音上は「3ぷん」「4ぷん」と半濁音にしたほうが言いやすいはずなのだが、「ふん」「ぷん」と読み分けるよりも「数字+ふん」のほうがいろいろ覚えなくてもよいというのが、「ふん」が蔓延する原因のように思う。

 2006(平成18)年、トルコを訪問した小泉純一郎首相(当時)が、日本語を勉強しているという男性から、漢字の「分」について尋ねられ、「同じ『分』でも『1分』と『2分』では、『ぷん』『ふん』になる。ここが難しいんだ」と「臨時講義」をしたという。トルコで説明する前に、日本国内で臨時講義をする必要がありそうだ。

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