第20回 授業の間の休み時間を何と呼ぶか?

 小学生の頃に「ギョーカン体操」なるものが行なわれていたことを思い出した。通常の10分間の休み時間とは異なり、2時間目と3時間目の間の休み時間が20分間あって、その時間帯に全校生徒が校庭でラジオ体操を行なうのである。当時はラジオ体操の別名が「ギョーカン体操今回の一枚:クリックすると大きくなります」だと信じて疑わなかったものである。「ギョーカン」が「業間」に対応すると知ったのはずっと後のことであった。確かに授業と授業の間であるから「業間」に違いないのだが、休み時間そのものを「業間」と呼んでいた記憶はない。はっきりとは覚えていないが、区別するという点で、「10分休み」「20分休み」と言っていたような気もする。両者を区別せずに「業間」と呼ぶ地域は全国に広がっているが、特に岩手で多用されているようだ。しかしながら、教育の世界では「業間体育」なる表現もあり、もともとは学校関係者の専門用語であった可能性も高い。

 東北から関東にかけての地域では、2時間目と3時間目の間を「中休み」「長休み」と呼ぶところもあるようだ。

 和歌山、広島の小学校では、20分の長めの休み時間を「大休憩」、昼休みは「昼休憩」と呼んでいる。

 福井では「大休み(おおやすみ)」だ。

 「大休憩」「大休み」などと聞くと、小学生が授業を受けるのもかなりの重労働なのかと思ってしまう。

 愛知では授業間の休み時間を「放課」と呼ぶ。したがって、「10分放課」「20分放課」などというのである。昼休みは「昼放課」だ。「20分放課」の代わりに「大放課」「長放課」と呼ぶところもあり、「放課」を基盤にしつつ学校ごとに呼び方が決められているのである。転任してきた教員が困惑したという話も聞く。愛知県内のとある小学校のホームページ(HP)には、学校行事の記録に「長放課に長なわとび大会が行われました。10月から今日まで放課を使って練習を重ねてきました。」とあった。また、ある小学校の年間行事予定には「ふれあいデー(大放課・清掃)」と記されている。まさに日常生活の中で活(い)き活(い)きと使われている方言である。

 となれば、「放課後」は休み時間の後だから授業時間のことなのかという疑問も湧いてくるが、そんな心配は無用らしい。これらの地域では「放課後」ということばを使わずに「授業後」「学校が終わった後」などと言い、混乱を回避しているのだ。

第20回 授業の間の休み時間を何と呼ぶか?