第21回「うるかす」(秋田県)

【問題】

秋田出身のゆうこと茨城出身のともがこが、ゆうこの家でご飯を食べています。
ゆうこが言った「うるかす」とはどういう意味でしょう?

 

 

 

 

【解説】
ゆうこは、「使い終わった食器を水に浸しておいて」というつもりで「うるかす」と言ったんですね。秋田でよく使われますが、北海道や他の東北地方でも使用する地域は多いようです。
この「うるかす」は、「うる」+「かす」と分解できます。「うる」は「お肌がうるおう」と言うときの「潤う」で、「水分を含んで生気を帯びる」という意味です。「かす」は平安時代の古辞書『新撰字鏡』に「米加須」と記されていて、「米を洗う」という意味で使われていたことがわかります。後になって、「米などを水にひたす」だけでも「かす」と言うようになります。こうして、「うるかす」が「水に浸して十分に水分を含ませる」という意味で使われるようになりますが、方言の中には、この古い用法を残しているところもあります。最近では、干しシイタケを水で戻すときにも「うるかす」ようです。

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