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第14回 鳥と恐竜のミッシングリング(後編)
2016年4月21日 山根一眞

図解化によって整理され頭に入る知識  

 この図解化にはとてつもなく時間がかかってしまったが、こうして図が入ることで、「恐竜→羽毛恐竜→鳥」への進化の道筋と、その進化を立証する研究史のあらましが、やっと頭入った。
 図などが必ずしも正確ではない可能性もあるが、あくまでも「図解という加工による「調べものの」の技のひとつとして受けとめて下さい。
 ところで季強教授の講演が行われたのは2008年なので、すでに8年が過ぎている。科学の世界では、新しい思いがけない発見や研究の進歩があるものだが、羽毛恐竜の世界でも、中国で思いがけない羽毛恐竜の化石が発見されている。
 これまで羽毛恐竜は小型というのが定説だったが、新たに発見されたきわめて大型の恐竜が羽毛を持っていたのである。
 もっともそれは「空を飛ぶ鳥への進化」につながる恐竜ではなく、体温維持などのために羽毛を持つようになったのだろうと考えられている。
 そういう新しい発見があっても、1860年代の始祖鳥の発見から2008年まで148年間の「発見と研究、議論」の流れが頭に入っていれば、新発見の意味が容易に理解できる。
 人の大脳皮質で最も大きく占めているのは「視覚」だ。
 文章だけではよくわからない時には、さまざまな方法で図解をすることが、「調べもの」の極意のひとつなのです。
<第14回了>
『山根一眞の調べもの極意伝』は今回をもって第一部終了とさせていただきます。
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第14回 鳥と恐竜のミッシングリング(後編)
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著者プロフィール
山根 一眞(やまねかずま)
 ノンフィクション作家・獨協大学特任教授
 1947年、東京生まれ。獨協大学外国語学部ドイツ語学科卒。20代からジャーナリズムの仕事を開始。先端科学技術や情報分野、アマゾン環境問題など広いテーマで「謎」を追い求めてきた。NHK総合テレビでキャスターを7年こなし、北九州博覧祭では「ものつくりメタルカラー館」の、愛・地球博では愛知県の総合プロデューサーをつとめた。2009年から母校で経済学部特任教授として環境学や宇宙・深海、生物多様性などをテーマに教鞭もとっている。3.11で壊滅した三陸漁村・大指の支援活動も続けている。主な著書に単行本と文庫本25冊を刊行した「Made in Japan」を担うエンジニアたちとの対談『メタルカラーの時代』シリーズ(小学館)、『環業革命』(講談社)、『小惑星探査機はやぶさの大冒険』(マガジンハウス、東映で映画化)、『小惑星探査機はやぶさ2の大挑戦』(講談社)など多数。『日経ビジネスONLINE』では「ポスト3.11日本の力」「山根一眞のよろず反射鏡」を連載中、福島第一原発の廃炉技術も追い続けている。理化学研究所相談役、日本生態系協会理事、宇宙航空研究開発機構客員、福井県文化顧問、2018年国民体育大会(福井県)式典総合プロデューサーなど。日本文藝家協会会員。

山根一眞オフィシャルサイト
http://www.yamane-office.co.jp
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